36.『冥界』の門番

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※ヨシ視点

この『冥界』が、海になっている・・・・・・。大地震だな。アイツの仕業だ。ランが間に合って良かった。でも、やり過ぎ。マジ、迷惑。『冥界』の住人困ってる。アイツはもっと分別を持つべき。

一緒にグリフに乗っているグレイスも、さっきからため息ばかり。全くの同感。肝心の決着は、着いたようだな。何故ハデスは、ニヤけたまま浮かんでいるんだ?

水が引いてきた・・・・・・。流石にやり過ぎと気付いたか。キレて発狂でもしたのかと若干の心配。予感じゃ、ハデスの宮殿まで、あと少し。特急で行くか。

「ねぇ、ヨシ。この感じだと、ハデスは倒せたみたいだけど、ケイとユウはどうなってるかしら?」

迷う質問・・・。問題はユウだ。『英雄』ヘラクレス、大往生。丈夫なユウが大出血で大の字。コレじゃ、イマイチわからん。

「ケイは木星、ジニアス帝と戦っている。五分五分程度って感じ。時が止まってる。ジニアスだけ動いている。極端なスロー再生を視ているって感じ・・・・・・。少し、待ってな・・・。先を見るが、全て同じ場面。オレ達の時間感覚で一日経っても、まだ時が止まったまま。ケイは無傷。どんな戦いのレベル!?ユウは火星で、大の字で血まみれ。『英雄』ヘラクレスは死んでいる。ダブルKO可能性あり・・・・・・。視る事が出来るのは、そこまで」

「簡単にはいかないわよねぇ・・・・・・。ユウが火星にいるなら、コウシン達に連絡をしましょう。今、介抱すれば助かるかもしれないわ」

「OK。すぐやろう」

グレイスと手を繋ぎ、コウシンに連絡を取る。ユウがいると思われる場所を告げ、すぐに介抱するよう依頼した。

何とか、生きててくれよ。勝手に死ぬとかマジ勘弁。

アレが宮殿。ここらは山脈自体が消し飛んでる・・・・・・。ダイスは怪物!?随分と派手にやったな。

◆◆◆◆◆

※ヨシ視点

「YO!ダイス、ラン。やったな!!ハデスを仕留めたか。一時は心配。ハラハラしたぜ。ダイス、体がデカくなったな!?『精霊の王』と認められたか。流石だ。Big Brother。ランは、イメチェン?ショートもキュートで悪くないぜ」

「お互い、お疲れ様。ダイス、ラン。本当に心配したんだからねぇ?それにしても、ダイス。――言いたいことはわかっているわね?」

「お、おう。ち、ちょっとだけ、調子に乗ったな。まぁまぁ、結果オーライだろ?」

「そ、そうだよ。ダイスは僕の為にも頑張ってくれたんだ!ち、ちょっとだけ、暴れすぎたんだよ・・・・・・」

ランが咄嗟に庇ったが、グレイスの視線は凍てついている――。オレは口を挟まない主義。沈黙はGold。皆、屈服するかの様な、尊大な雰囲気がグレイスに纏わり付いている。ダイスは言葉を間違えたな・・・・・・。オレはグレイスの斜め後ろに下がり、味方である事を主張。

『ダイス。第一声がそれなの?言い訳は不要よ。貴方は『冥界』がどんな所か、理解しているでしょう?それとも魂の流れについて、全く聞き覚えが無いの?』

――ヤバい。グレイスの声に『能力』が加わっている。オレは更に下がり、真剣な面持ち。もう完全なるグレイスの味方。

「すまん。本当に申し訳ない。『冥界』がどんな所かは理解している。結果オーライでは済まされない。許してくれ!この通りだ!」

ダイスも危機を感じ取ったのだろう。潔く頭を下げた。王冠をしているのに・・・・・・。

「そうよ、初めからそうすれば、怒りもしなかったわ。ハデスを倒す為に必死だったんでしょ?でも、『冥界』は人間も魔物も怪物も、死んでおとなしく、生まれ変わるまで待機しているの。海だけじゃ、暮らせないでしょ?」

「僕は知ってるよ!それなら、僕とグレイスも謝るべきだよ!グレイスなんて、隕石を星の数ほど落として、『奈落』を崩壊させちゃったでしょ」

ランが横からグレイスに会心の一撃!!!

グレイスは身を硬直させた。『奈落』を崩壊って・・・・・・。どうするんだ!?ただの口喧嘩に見えてきたな。

「私もごめんなさい!すいません!!調子に乗りました。ランの言うとおりね。今度から気をつけましょう。ね、ねっ、ダイス!」

「お、おう、そうだな。お互い気をつけないとな」

Winnerはラン。ダイスとグレイス。冠をかぶってる二人もランの前では無意味。ランも素直に謝り、皆で反省しよう!という事で丸く治まった。オレはやり過ぎてないぜ?

◆◆◆◆◆

※ヨシ視点

今はまず、この『冥界』を出るのが先。『冥界』の門番。ケルベロス。不死身で、音楽で眠りにつかせる神話がある。『英雄』ヘラクレスだけが、『冥界』から地上に引き釣り出した。『腕力』勝負なんて、ユウ以外、不可能。ダイスもやれるか?う~ん。考えてもしょうが無い。先を急ぐか。

『冥界』の門は、ハデスの宮殿に意外と近い所に発見。

コレは想像以上――。

大迫力。豪華絢爛。音の響きは大劇場並。劇場版の映画の様な本気を出した門のサイズ。生者と死者を隔てる境目。周りも漆黒の城壁。

門の左右に十体ずつ、鎧を着込んだ大巨人像。動いたりしねーよな。全部、大大大大大。

この門は力で開ける類の門じゃ無い。一応、天井まで飛んでみたが、一キロはある。横幅は三百メートルといったところ・・・・・・。

コレをこじ開けた『英雄』ヘラクレスは、怪力の中の怪力だ。そんなヤツと戦って、ユウはよく倒せたな・・・・・・。

門の中央のエンブレム。三つ首の巨大な犬のようなモノ。彫り込んであるCoolなイメージ。

アイツが、ケルベロスなんだろう。神話通りの姿だ。しかし、肝心のケルベロスはどこにいる?

皆で捜しても出てこない。生者と死者を隔てる門を破壊したらまずいだろう。

ランが椅子を作って、皆で腰をかけ悩む。グレイスが思いついたように、オレに向かって指をさしているな。あ~、音楽ね。

「地獄の番犬と言うくらいだから、てっきり常にいるのかと思ったら、いない時もあるみたいね。この門は力では開けられないわ。ヨシと私の出番よ。悲しい曲が好きという話があるから、死に別れた恋人を思って曲を奏でましょう」

「それじゃ、奏でよう。極上のエンタメ。ケルベロス呼ぶため、別れも弾けるさ。悲しいロスタイム。胸痛いつらいライムを味わう定め。オレもつき合う定めかもな」

ギターを取り出し、グレイスの旋律に混ぜながら、別れた人を思い出す。昔、好きな女性はいた。オレはオリジン。寿命が無いと思う。五年、一緒にいて、その女性は事故で眠ったままとなった。世界最高の腕を持つ医者でも役に立たない。意識が戻らなかった。オレが血を分けていれば・・・・・・。Ifの話だ。過去は戻らない。よく考える女性というテーマ。

「誰じゃ?ウットリするのう。わらわは音楽が大好きなのじゃ」

ビクンッ、どこから出て来た?コイツ・・・・・・。

言葉使いはさておき、年齢は十四から十五くらいだろうか。子供と大人の境目の様な美がある。『芸術』の能力を持つオレがそう感じるのだから、間違いはないだろう。白い肌の金髪碧眼の美少女。こういうファッション、確かゴスロリ。黒いドレスがよく似合う。この子は、アイツに似ているな。久々のオレの中でのヒット!!

周囲を見渡すと、他にも『冥界』の人々が聴き入っている。確かに、この場所は、綺麗な反響。『冥界』は、娯楽が無いのだろうな。音楽は何処からも聞こえてこなかった。

「もっと、わらわに聴かせて欲しいのじゃ。お願いじゃ!おぬしもあのおなごも本当にいい音楽を奏でるのう」

オレ達の戦いは、後は、ケイだけ。木星なので加勢にもいけない。時間のズレもある。急いでいないなら、もう一曲。

「お嬢ちゃん。悲しい曲がいいかい?」

「そうじゃのぅ~、次は楽しい曲を弾いて欲しいのじゃ」

周囲の『冥界』の住人も頷いていた。グレイスと目を合わせる。オレから入ってという合図だな。

それでは遠慮無く。此処は自然が無いからな。生命の息吹も感じられないだろうし。そういう曲にしよう。『ドライアド』の森で弾いていた様な躍動感があるのがいい。

次はギターをリズム楽器のように使いながら、ダンスも混ぜて、踊りながら弾く。グレイスのダンスも上手いもんだ。このお嬢ちゃんもいいね!Goodだ!!周りの皆も立ち上がって、踊っていた。ダイスは勿論、酒と肴を広げている。ふぅ~。ケイがいればもっと面白く出来たな。居ないのが残念。アイツは戦っている最中だ。ここらでオレ等も辞めておこっか。

「オレ等は見てわかる通り、生者。友達が待ってる。外に出なくちゃいけなくてね。悪いがこれでお仕舞いさ」

お嬢ちゃんは、見るからにショボーンっとしていた。しょうがないさ。

それにしてもケルベロスが出てこない。尋ねてみるか。

「ケルベロスを捜している。どこら辺にいるかわかったら教えてほしい」

すると、お嬢ちゃんが自分を指さす。はっ???

「わらわがケルベロスじゃ。『冥界』の門番をやっておるぞ」

事実は小説よりも奇なり、と言うが全然、神話が当てにならない・・・・・・。音楽好きって所しか、当たってない・・・・・・。

「今、空けるから待っておれ。レバーを降ろしてくるだけじゃ。おぬし等じゃろう?ハデスやタナトス、『奈落』の連中を相手にしていたのは。ありがとうの。陰気くさい連中がいなくなって、此処も少しは変わりそうじゃ」

陰気くさい連中って・・・・・・。アイツら嫌われてたのか。そりゃあ、そうだな・・・・・・。

「しかしのぅ、困ったことに今日、ココを通れるのは二人じゃ。その様に何でか知らんが決まっちょる」

「ケルベロス、お前はココを出た事があるのか?」

ダイスが急にケルベロスに話をふった。

「昔、ヘラクレスと遊びに行ったことがあるぞい」

遊びに行ったんかい!!!

「ハデスはいつもココを通っているのか?」

「彼奴は通らんのう。何かの能力があるようじゃ」

「立て続けに聞いて悪いな。コレが最後だ。お前は生きてるだろう?血液の流れを見ればオレにはわかる。外で暮らしたいと思わないか?オレに考えがある」

今までそんな事を考えた事がなかったみたい。悩んでるというより戸惑っている。やっぱり、可愛い。似ている。ダイスの考えって何?

◆◆◆◆◆

※ダイス視点

コレで、もしかしたら、一気に悩みは解決するかも知れない。アイツの負担が少しばかり増えるだけ。オレじゃ無い。ハッハッハ。

『冥界』は、『天空』、『海洋』と分けられる程、重要な場所だ。もう、裏切りは、いらない。安心して任せれるヤツに『冥界』を仕切って欲しい。能力が合わされば、便利度が更にUPする。

そう、ヨシだ!!ヤツを『冥界の王』にしよう!!!

ついでにケルベロスも外に出してやろう。こんなに可愛い子がレバーを上げ下げしてるだけなんて、無意味だ。ハデスにでもやらせよう。

とっとと、話をつけるか。

「皆、オレの話を聞いてくれ。ハデスは『冥界の王』失格だ。『冥界』が大事だって話をしただろう?オレの信頼できるヤツが『冥界の王』になって欲しい。『王』って言うのは、男だ。ハデスの能力があれば、ケイの所に行ける。助けにいける。参戦出来る!!何を言いたいかわかるな?ヨシ。ハッハッハ!!」

「マジかよ!?寝耳に水、いや、青天の霹靂。オレは陰気くさい所は嫌だぜ!それにハデスの血を飲むのかよ?」

「そこは安心しろ。最高の宮殿を作ってやる!オレに任せろ!宮殿周りは、自然も豊富にしてやる!オレ等には『豊穣』の神がついているじゃないか。ハデスの血に関しても、大丈夫だ。オレは『水』の能力がある。精霊達のお陰で力がついたからな。コントロールはばっちりだ」

「・・・・・・・・・確かにお前は『精霊の王』になった。『海洋の王』、『酒の神』、全ての水の能力が集まっているな。何より、ケイを助けに行きたい。了解。オレが『冥界の王』になって、明るい『冥界』を作ってやる!!」

ランとグレイスは、呆気にとられている。

「ダイスって、頭まわるわねェ。さっき、ケルベロスに質問していたって事は、彼女も連れてくつもりなんでしょ?」

「いい勘だ。あんな美少女があんな所でレバーを上げ下げしてる意味なんてあるのか?美少女とは、愛でられる存在だ。ハデスにその仕事をやらせるよ。完璧だろ?」

ケルベロスは外の世界にずっと憧れていたようだ。半信半疑ながらも、オレ達についてくる事を決めた。

ハデスの宮殿に到着だ。ヤツを閉じ込めている《水牢》を破壊し、アルコールを抜いてやる。後は頭痛薬をヨシが用意した。脅し半分でもあるからな。トライデントを出して突きながら、話す。

「なぁ、ハデス。喜べ。永遠に眠らせようと思ったが、気が変わった。お前の新たな役目が決まったぞ。今度から、ケルベロスの代わりに『冥界』の門番をやれ。『冥界の王』はヨシ、コイツに譲ることにした。どうだ、理解したか?」

「お、オレを、こ、殺しはしないんだろうな?今までオレは何をされていたんだ?」

「眠らせてたんだ。一生そのまんまで放置しようと思っていた。しかし、今まで『冥界』を治めてきたという実績も考慮してな。寛大な心で許すことにしたよ。条件を飲むか?若干だが、能力の0.1%は残してやる。そうすれば、永遠に生きられるだろう。拒むなら、残念だが、永遠の眠りの刑だ」

悪役が板についてきたな。ランもヨシもグレイスもケルベロスでさえ、ハデスを哀れな目で見ている。

「わ、わかった。じ、条件を飲むよ。だから、意識は取らないでくれ!!」

精霊達の力を借りるか。

――ハデスの血から99.9%の『能力』だけを奪え《Take blood/吸血》――

ほら、約束通り、ほんの少しだけ、残してやったぜ。

「ハデス、『能力』は殆ど使えないだろうが普通に動けるだろう。それで満足しろ」

ココまで卑屈なヤツも珍しい。何度も頭を下げてきた。一緒に『冥界』の門にいき、ケルベロスから、門の開け方とルールを教わる。本当に簡単な仕事だな・・・・・・。

ケルベロスは、変わった子だ。何故、この子は疑問も持たずに・・・・・・。こんな単調な仕事をしていたのか・・・・・・。

――ハデスの能力をヨシに流し込め《Blood to the body/注入》――

「ヨシはどうだ?ハデスの能力が使えるか?何か不具合があったら教えてくれ」

「う~ん、ハデスの能力。精霊と干渉。 Late Showばりの制限。アポロンの方は異常なし。う~ん。しょうが無し、『精霊の王』に精霊移譲。少し技を試してみるぜ?」

――――《Gate》/多重展開――――

――――《Dark Dancer》/黒き踊り子―――

――――《Black Orpheus》/オルペウス―――

――――《Negro Rhythm》/ネグロリズム―――

――――《Black Sun》/黒太陽―――

うわーっ、元から器用なヤツだけど、今、即興で技を四つ作ったな・・・・・・。

「気に入ったぜ!!オレの大好きなBlack Culture。連想ゲーム。コレで本物の『光』と『闇』を手に入れた。それぞれのRoots。これからのルール。PotentialがUP」

「早速、ケイの所に行ってみるか」

「ダイス、ケイとジニアスの戦いって私達の居る場所と時間がズレてるのよ。合流する前に、ヨシに確認して貰った限りでは一日後でも、時が止まっているそうよ」

「そう、ダイス。ゲートを使って、ケイの所に行っても、ゲートを開けたらオレ等が真っ先に殺される。時間が動くのを待とう」

うーん。そうか。変な時間が空いたな・・・・・・。

オレ等でこの辺りを住みやすくするか。

「ラン、『豊穣』と精霊の力を貸してくれ。オレもやる。自然をつくろう。まずは大地からだな。グレイスは『星』を作れるんだろ?天体も作ってくれよ」

それぞれの作業は三分とかからなかった。『冥界』とは思えない程の『生命』に溢れる場所へと変わる。『冥界』なので『生命』を持たせたのは、宮殿周りのみ。

「ヨシ、私からいいモノをあなたへ送るわ。『黄金の林檎が成る木』を宮殿の庭に数本植えてあげる。ヨシ、この『黄金の林檎』にあなたのアポロンの力を出来るだけ詰めて、面白いものを見せてあげるわ!」

「何から何まで感謝。『冥界』がまるで、Wonderful World!!よっと、グレイス、『黄金の林檎』に力を詰めたぜ」

「あなたなら、意味もわかるし、きっと気に入るわ。喜ぶ顔が目に浮かぶもの。フフフッ。ケイが一番悔しがりそうね。庭に来て」

何だ?何をするんだ?グレイスとヨシの合わせ技みたいだな。

♪♪♪――《リンゴ・スター》――♪♪♪

「Ohhhhh!!!!!Legend!!!感激、感謝、涙雨、揺れるHeartとGood Feeling Beat。すごいな、光を放つリンゴ、奇跡だ!」

「この木を叩けば、ビートが流れるわよ」

ケルベロスも感動しているようだ。オレだって知ってるぜ?ケイが真似するからな。この林檎で酒を造ったら、上手そうだな・・・・・・。林檎酒でも飲むか。

ランはポカーンっとしていた・・・・・・。そう、コレが所謂、Generation Gap――。

哀れなヤツだ・・・・・・。うむ、たまには、コイツに酒を与えよう。甘い林檎酒だからいいだろう。

『冥界』だってのに、天国、楽園。そんな感じの場所になったな。リンゴスターが光ってるからか。凄いもんだ。おっ、この林檎マジ美味い。ケイにも幾つか持ってくか。

「おい、ケルベロス、お前は何歳だ?」

「わらわは、百十五才じゃ。懐かしいのぅ。誰だかの血を貰ったから死なんとハデスがいっておったわい。生きているだけじゃ」

「なんで、そんな変な言葉使いなんだよ?」

「一度、言葉を全て、忘れてしまってのう、『冥界』のおばあちゃんに教えて貰ったのじゃよ。変かのぅ?」

ケルベロスは、少し不安で寂しそうな顔をして、ショボンとした。

「それも個性な。不安なお前の前を守るぜ。真のKnight登場。芽生え始めた恋心。手始めに外の案内とオレは堂々と。皆はシーンと。何かがピーンと、ケルベロス、お前に一目惚れ。オレはヨシ。よろしくな」

ケルベロスの白い肌が、朱に染まる。こ、コイツ、メルメルもじもじキラキラしてやがる・・・・・・。

「わらわは、そんな言葉は久しく聞いてないので、どうしていいのか・・・・・・。わからぬぞい・・・・・・。ヨシはモノ好きじゃな。アハハッ」

ランとグレイスのテンションはMAX。輝きが偉い事になってる。ケイが戦ってるって時に、ウフフ、キャッキャッモード全開だ。

全く、女ってヤツは・・・・・・。

――――ヨシは格好いいな。真っ直ぐだ。それでいい。それがいい。

『予言』を視ながら、作戦会議をするか。

苦戦はしてると思うがケイなら、大丈夫。

信じるのではない、オレの中の確定事項だ。

オレのは『予言』でもない、ただの『予測』。今回ばかりは、外さない。

あぁ、今日も今日とて酒が美味い。皆が笑っているなら、極上の酒。

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