41.雨曇りのち晴れ

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※編集中

※ケイ視点

『――――《我ガ信念ノ元、万物ヨ抗エ》――――』

《森羅万象》

『星』の外は、何もかもが敵意を示している。

何もかも全てだ。

森羅万象は、ジニアスの味方となった。

この『星』だけはそのまま。

若干、ジニアスの意思が流れ込んできた。

大気と混じるかのように。

ゼウスの能力が『全て』無くなった訳ではない。

『星』の中だけなら有効。

静かな場所だ。

太陽も見えるな。

ダイスから、貰った酒でも飲むか。

アイツはいつも、そうしていたよな。

オレは目を瞑り、ボンヤリと想像した。

◆◆◆◆◆

――――前に、一度見たことがある夢の続き。

大好きなメロディを頭の中で鳴らす。世界は一つだろう?と歌う人。

世界は一つだとオレは思っている。

ジニアスが、意識に流れ込んでくる。

戦争後の荒れた大地は、アイツの能力で元に戻したんだ。

戦後の地球にあった国々の要人達は、ハデスによって殺された。国というものを廃止し、地球管理局が出来上がった。局長には、ジニアスが就任した。民衆を豊かにすることを約束し、絶大な支持を得た。

月、金星、水星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星が開拓された。ライアンは、総責任者に任命され、ハデスはゲートで惑星間を繋げた。

太陽に近づいた人は、自分を神だと思い始めた。

神は、人の性は本来は悪だと決めた。性悪説を信じた。

神は、力を使うたびに、体が損傷していくことを理解していた。

ジニアスのやり方を、全て間違いだとは思っていない。

秩序と管理に重きを置き、性悪説を信じた。

オレは、調和と助け合いに重きを置いて、性善説を信じている。

人を上手く導くという大きな話を一人で背負う必要はない。

反対の意見を全て拒否すれば、歪みが生まれる。

ジニアスは、排他的で潔癖だ。

人は間違えた分だけ学ぶ事が出来る。成長する。

神ならば、一年十年百年千年の単位じゃなく、もっと大局的に人という種族を見る。

命の重さは、人も、動物も、虫も、花も、全てが等しい。

それが、本当の神の視点。

なんで、オレが『ゼウス』何だろう。

能力を得てからずっと考えてきたこと。

冥王星から、ココまで旅をしてきて、今、謎がとけた。

能力は、全て、オレの『想像』で割り振られている。

その中心いるからこそ、オレが『主神のゼウス』だ。

一人、一つの能力とは限らない。

これは仲間達が教えてくれた。

ポセイドンとバッカスは、アニキ分で酔いどれのダイス

ヘラとビーナスは、オレの好きな女性、グレイス

アレスとアテナは、粗野な性格だけど、どこか憎めない弟のユウ

アポロンは、音楽大好きで、根っからのお人好しのヨシ

アルテミスとデメテルは、運動神経が良く、暖かな心を持つラン

ヘルメスは、好奇心旺盛で旅好きなコウシン

ヘパイストスは、職人気質でドヤ顔がよく似合うライアン

ハデスは、怪しく、陰気なやつ

クロノスは、尊敬していたジニアス

ヘスティアは、おそらく戦争中に亡くなった母さん

全ては、オレの想像。

『世界の理』がわかったよ。

この事に気付いたオレは、恐らくは『神』と呼ばれるのかな?

でも神話上の神々もそんなモノなのかもしれないな。

何故、こんな事が出来たのかは知らないな。

あまり興味もない。

なぁ、ジニアス。もう、伝わっているだろう?

今ある『地球』を壊せば、貴方は死ぬ。

心臓と脳は、今の『地球』だったんだな。

ジニアスの矛盾だらけの正義と信念が伝わってくる。

長く、生きていれば、そんなこともある。

多くの矛盾が出てくるものだ。

一人で抱えた重圧は、オレじゃ思いもよらないだろうな。

オレの空想は、まだ続けるよ。

まぁ、色々あるからね。世の中。

バイバイ。ジニアス。貴方だけは、不要だ。

責任を放り投げる訳には、オレもいかないんでね。

『森羅万象』が敵だなんて、大げさだよ。

オレとダイスが、暴走した貴方を、止めるのを待っていたんだな。

矛盾だらけだよ。貴方は。本当に。

宇宙の人達を思って尽くしていた。

百年間で最も苦しんだ。

本当の孤独を知っていた。

なのに、全部壊そうとした。

『森羅万象』は、皆、オレの味方にする。

――望んだままに。

《Imagine・イマジン》

――願いは同じだろう?

《Be Peaceful with Love/愛と平和に包まれよう》

不思議な感覚が続いた。

混沌は無くなった。

ただの宇宙に戻った。

オレは、小さい『星』の中で酒でも飲んで、少し休むよ。

◆◆◆◆◆

※ヨシ視点

ラストバトル、終了。

混沌が消え、ケイは小さい星で、酒を飲んでる。

ダイスはいない。

『地球』は消えた。

どうやったのかは不明。ジニアスも消えた。

皆、連れて、ケイの所に行くか。

「Hey!!皆、準備しな。闘いは終了。ケイの所に行くぞ」

「おっ!勝ったんだな!!頼もしい兄貴達だぜ。ヘッヘッヘ!二人は無事か?」

今は言うべきじゃないな。

「ケイに、聞く。用意はいいか?この屋敷より、小さい星だ」

準備万端ね。

「――――《Gate》/ケイの所――――」

◆◆◆◆◆

※ケイ視点

ゲートが開いていく。ヨシか。皆を連れてくるんだな。

「よっ!ケイ、やったな。ダイス兄は?」

「ケイ、お疲れ様!僕は信じてたよ!ダイスは海の中?」

ヨシとグレイスは察したんだろう。黙っている。

オレがちゃんと伝えなきゃ。

「ジニアスは死んだよ。今の『地球』も消えた。アレがジニアスの心臓と脳だったんだ。ダイスは・・・・・・、オレを庇ったんだ。そして、消えた・・・・・・」

「なるほどな。今の『地球』が心臓と脳だったとはな。よく倒せたな。ハッハッハッ!終わり良ければ、それで良しだな。ハハッ。オレにも酒を寄越せ、アイテムボックスはスッカラカンなんだ」

――っ!?

「ダ、ダイス!!お、お前!!何処にいたんだよ!!!!」

「落ち着けよ。ケイ。勝利の乾杯だぜ?オレは、その『ウィスキー』にいた。お前が中々、蓋を開けなかっただけだろーが」

「何だよ~・・・・・・。オレの気持ちを返せよぉ~。ウワァァァン・・・・・・」

「悪い悪い、オレが悪かった。泣くのをやめろ。ユウの屋敷に戻って、宴会しようぜ」

フンッ、酷い奴だ。

でも、皆、笑ってる。

オレの欲しいものが、ココにハッキリとある。

手を取り合って、一歩一歩あるけばいい。

伝えたい事は沢山ある。

焦らなくてもいい。

ユックリと言葉にすればいいんだ。

最初の一言目は決めてある。

『皆ありがとう』

雨から、曇り。

そして今は、晴れた空。

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